令和5年5月27日、図書館2階の視聴覚室において第1回夕暮講座を開催しました。
「空はるかに、いつか夜あけた。—夕暮短歌の自由律」という題で、
歌人で歌誌「りとむ」の編集委員を務める寺尾登志子先生にご講演いただきました。
定型から自由律、そして再び定型—と、生涯を通じて作風を転換したのが前田夕暮の特徴ですが、
今回の講座では夕暮の自由律短歌時代に着目し、夕暮の生涯に寄り添いながら作品を解説していただきました。
18歳という若さで病死してしまう長女に対しての切ない歌や、戦時下の不安な思いを詠んだ歌など、
代表作とはまた異なる趣の作品のご紹介は、夕暮の作品の多様さを感じさせるものでした。
「夕暮の自由律は書道に例えると草書的で、一見すると5・7・5・7・7の型に収まっていない歌も、
声に出してみると定型に近い律動を感じられる」というお話は、
実際に先生に読み上げて頂く中で、実感した受講者の方も多かったのではないでしょうか。
寺尾先生、この度は貴重なお話をありがとうございました。
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次回、第2回夕暮講座は令和5年7月1日(土)、
前田夕暮生誕の地にほど近い大根公民館での開催です。
歌人で歌誌「かりん」編集委員の古谷円先生をお招きし、
「歌人としての目覚めー秦野と『みだれ髪』」をテーマにご講演いただきます。
皆様お誘いあわせの上、ぜひご参加ください。
*詳しくはこちらをご覧ください。